イゼベルの呪い

 

預言者バラムがイスラエル国民全体を呪おうと試みたように、呪いは個人から国民あるいは個人レベルまであります。王妃イゼベルはエフーの証言通り姦淫と呪術盛んに行なう魔術師でした。この邪悪な霊を持ったイゼベルに関わった隣人すべてが精神的に不安定になり不機嫌です。

 

私たちも宗教家や占い師、霊媒師のような邪悪な悪霊を持った人にはよほど聖霊さまの導きない限り、関わらないほうが無難です。イゼベルの息子ヨラムとエフーのやり取りが以下の御言葉です。

ヨラムはエフーを見ると、「エフー。元気か」と尋ねた。エフーは答えた。「何が元気か。あなたの母イゼベルの姦淫と呪術とが盛んに行われているかぎり。」Ⅱ列王922

 

エフーはイゼベルの名を聞き、彼女を考えるだけで元気ではない怒りと不機嫌状態になっています。

 

イゼベルに最も近く悪影響を受けていたのは夫のアハブ王です。アハブは隣人ナボテの良く手入れし、管理されたぶどう畑を欲しがって譲渡交渉しました。代価に他の畑や銀まで支払うと約束しましたが、正しい人ナボテはこれを断り交渉決別。その時、アハブは大の大人なのに願いが叶わないだけで落ち込んで食事もせずに不機嫌にふて腐れて寝込みます。

 

アハブは不きげんになり、激しく怒りながら、自分の家に入った。イズレエル人ナボテが彼に、「私の先祖のゆずりの地をあなたに譲れません」と言ったからである。彼は寝台に横になり、顔をそむけて食事もしようとはしなかった。彼の妻イゼベルは彼のもとに入って来て言った。

「あなたはどうしてそんなに不きげんで、食事もなさらないのですか。」Ⅰ列王21:45

 

その後、ナボテはイゼベルの陰謀で暗殺され、彼の畑はアハブ王に没収されましたが、イゼベルの近くいた人物は非常に精神的に弱く不安定で不機嫌が多いです。

 

なかでもイゼベルから直接呪いをかけられて失望落胆した人物が預言者エリヤです。

「アハブは、エリヤがしたすべての事と、預言者たちを剣で皆殺しにしたこととを残らずイゼベルに告げた。すると、イゼベルは使者をエリヤのところに遣わして言った。

「もしも私が、あすの今ごろまでに、あなたのいのちをあの人たちのひとりのいのちのようにしなかったなら、神々がこの私を幾重にも罰せられるように。」彼は恐れて立ち、自分のいのちを救うため立ち去った。ユダのベエル・シェバに来たとき、若い者をそこに残し、自分は荒野へ一日の道のりを入って行った。彼は、えにしだの木の陰にすわり、自分の死を願って言った。

「主よ。もう十分です。私のいのちを取ってください。私は先祖たちにまさっていませんから。」(Ⅰ列王191-4

 

エリヤは憂鬱症にかかって自殺したいほど苦しみました。その背後にはイゼベルの呪い、悪魔への誓願祈祷がありました。エリヤを明日まで殺さなければ「神々がこの私を幾重にも罰せられるように!」

 

この言葉が呪いの呪文です。イゼベル的な人からの呪いは現代でも存在し、知らないうちに呪いを受けて弱くなり、憂鬱と不幸に落ち込んでいる人はいないでしょうか。

 

 私が高校生だった頃、当時、中学生だった妹と些細なことで喧嘩しました。力の差で一方的な私の勝利でしたが、その晩、私は深夜の金縛りに遭い幽霊まで見ました。幽霊は妹で、その幻では家の長い直線階段の一番上に死者を埋葬する際の白い長い衣を着た髪の長い妹が立って私を睨みつけている恐怖体験です。本当に恐ろしい幻と呼吸もできない金縛りです。

 

翌朝、まさか昨日の喧嘩の敗北を苦に妹は自殺したのではと心配になって、すぐに妹の部屋に行き、ノックしました。妹は生きていました。そこで「お前、夕べ俺に何かしなかったか?」と聞くと「ううん。何も」ととぼけていました。しかし、それは嘘でその数年後、事実を知らされましたが、妹は復讐にその晩私を呪ったそうです。

 

 話しはその数年後に飛びます。私が一九歳の時、不思議な夢を見ました。夢の中で私は教会の一階ロビーにいて、そこで不審な男に会います。彼は教会内で何かを販売しています。当時、私はまだクリスチャンではありませんでしたが、それでも思いました。「神聖な教会内で売買はよくない」そんな夢を見た後、久しぶりに教会に行ってみようかという思いが与えられ行くことにしました。行ってみると一階ロビーに夢と同じ初対面の男がいました。彼はホームレスのような男で教会近所の公園にあるいちょう並木から拾い集めた銀杏の実を教会員に販売するため持ち込んでいました。

教会員からは「臭いから持ち込まないで」と嫌がられていましたが、彼は確かに夢の男で、夢と同じように私のところにも来て言いました。

「安くするから、買わない?」

 

その瞬間、男のことはどうでもよくなり、何より予知夢を通じて私の常識を超えた世界があることを示された神さまを知り、ショックを受けました。「本当に神はいるんだ。」

 

 その日、教会員の熱心な年配の姉妹にその旨を話すと、「そのために祈りましょう」と言われ、共に祈りました。その時です。私は突然、聖霊さまに撃たれ、何故か分からないけど神聖な力に圧倒されて大泣きしました。何年ぶりかの涙。泣いて、泣いて十分間くらいあまりに泣きすぎて疲れたので、椅子の上に横になったら、そこに教会の聖書が置いてあったので、それを枕にすると、次の瞬間、聖霊さまが喜びの霊となって激しく私に注がれました。

 

今度は起き上がって喜び、笑って、笑って十五分間くらい笑い続けました。今まで体験したことのない平安と喜び、とても清らかな思い。私にとって聖霊のバプテスマと呼ばれる生まれ変わりの体験でした。嬉しくて笑いながら喜び祈ると、私の唇が震えて変な声が出てきました。「バラバラバラ…」それは異言の賜物でした。異言の祈りをそのまま続けると、すぐに悟りが来て私は預言しました。

 

「私は福音を宣べ伝えるために、生まれたんだ」

 

これは私が長年知りたかった、なぜ私は存在するのか、何の目的をもって人は生きるのかという疑問へのストレートな回答でした。神に愛されている実感が湧いてきました。すると共に祈っていた姉妹が私に向かって祈りながらこう預言しました。

 

「そうです。私はあなたを用います。大胆に福音を宣べ伝えなさい。貧しい人々に宣べ伝えなさい。私はあなたを必ず用います。」

 

帰りの地下鉄内では嬉しくて嬉しくて当時ホームにあったゴミ箱にナイフと煙草を捨てて帰りました。

 

帰宅するとなぜか、上の階から母が「どこ行って来たの?」の聞かれたので、「教会に行って来た!」廊下で大きく答えました。最初の伝道です。こうして私が一階の茶の間のソファーに一人ちゃんと座ってニコニコして座っていると、妹が降りてきました。

「お兄ちゃん、どうしてそんなに機嫌よく喜んでいるの?」

 

そこで私は言いました。

「教会に行って来た。今日、イエス・キリストを信じてクリスチャンになった。」

「今までお前をいじめたりして悪かったな。…」次々と和解の言葉と福音が出ました。

 

そこでさらに妹にイエスさまについて当時あまりよくは知らなかったけれど、伝えようとして口を開いて話し出すと、間違って今日受けたばかりの異言が「バラバラバラ…」と妹の前で出てしまいました。まるで興奮した気違いのようです。すると妹は驚いて言いました。

 

「お兄ちゃんは、そんな意味分からないことばかり言っているから、お父さんにもお母さんにも変に見られているんだよ。」

 

私は一見納得いきそうな言葉でしたが、霊を見分けて「いや、違うこれは悪魔だ」と、思い妹に宣言しました。

「黙れ!サタン!」

 

そして牧師でもないのに妹の頭に手を置いて異言でめちゃくちゃ祈りました。

すると妹は次の瞬間、「わぁー!」と大声で泣き出しました。そして妹も異言の賜物を受けてその場で「バラバラ…」と祈り始めました!こうして救われたばかりの私たちは両親の救いのために共に祈りました。そしてその日はもう夜遅かったので、翌日、妹は部屋からタロットカードを持ってきたので、私と家の前で灯油をかけて燃やしました。

 

その時に妹は数年前のことを語りました。「実はあの晩、私はお兄ちゃんに勝てなかったから復讐に白魔術の本を見ながら、そこに書かれた通りにお兄ちゃんを呪ったの。そしたらお兄ちゃんに本当にその晩、何かが起きていたようで私もびっくりした。ごめんね!」

 

呪いは現代でも実在します。呪いが砕かれたその後、妹はしばらくはクリスチャンでした。しかし、今考えると当時、何も知らずして私のミスも多かったのですが、その一つが救われた直後の妹を教会に連れて行かなかったミス、そして私自身、毎日、朝から晩まで自宅でリバイバル講師になってイエス・キリストばかり伝道するので、かえってうんざりされてしまいました。

 

加えて悪魔の反撃が妹の創価学会の友人から始まり、徹底的にキリスト教を辞めるよう布教されました。強烈だったのは、私の兄から妹への説得です。私の不足な部分を列挙しながら、言葉巧みに妹を背教へと追いやりました。

 

こうして短かった妹の信仰生活は短期消滅しました。それ以降は必死に祈って二年以上が経ちました。妹からは何故か「キリスト教で家族がバラバラになるのは嫌。もうそのことは言わないで。公園で小枝がクロスしてるのを見るだけで十字架を思い出す。もううんざりだからキリスト教のことは言わないで!」と言われました。やがて、私は聖書を読んで悟りました。

 

「偶像崇拝は呪いを招く!そうだ!偶像を捨てよう!そうすれば救われる!」

 

実家には仏壇と神棚がありました。過去二年以上、私はクリスチャンだから拝まないし無関係と思っていましたが、そうではない。これを聖絶するほうがいいと悟り実践しました。

 

 ある晩、深夜に家族が眠った頃を見計らって泥棒に変身した私は乗用車を自宅前に横付けして、座敷にあった仏壇をこっそり動かし、びっくり仰天しました。仏壇を動かすや否や、

 

「ドッカーン」

 

ごう音とともに大きな家全体が触れ動きました。それは実家は札幌ですが、時は冬、屋根の上に積もって雪が溶け、氷の厚みあるかたまりとなり、その大きな物が上の階の屋根から下の階の屋根へと滑り落ちたのです。それが仏壇に手をかけ動かしたちょうどその瞬間のタイミングでした。幸いに誰も起きてはきませんでしたが、内心、空中の権威を持つ悪魔が稲妻のように地に落ちたなと思いました。

 

急ぎで仏壇を解体して乗用車に詰め込み、遠くに行って全部燃やしてしまいました。

運転中、やたらハンドルが滑るので車内灯を付けてみると、仏壇解体中にどこかのヘリで手を切ったようで私の両手ともひどい出血状態でした。強い種類の長年居座っていた仏壇の悪魔が私の血を流して出て行きました!

 

 ただ、今考えると捨てる必要がなかったかもしれない物まで勢い余って仏壇と一緒に処分しました。それは座敷にあったこけしや人形の数々だけでなく、父のゴルフで優勝したトロフィーの数々、高価そうな時計を持った女性のブロンズ像の置物など手当たり次第、みんな集めて燃やしてしまいました。

 

翌朝、あきれた家族ゆえ大変な試練に遭いました。しかし、奇蹟が起きました。当時、信仰から堕落していた妹が、その日はイギリスに留学に行ってたのですが、母に国際電話をかけてきました。

「聖書が読みたい。英語と日本語が一緒になっている聖書を送って!」

 

私の偶像処分の働きを何も知らない地球の反対側にいる妹が、あれほど嫌っていた聖書を見たいとリアルタイムに反応して来たのです!

 

その後、妹は立ち返って主日礼拝を守る熱心なクリスチャンに戻りました。

やはり、偶像は悪影響を家庭に引き込む呪いです。その後、両親とも信仰告白できました!

 

偶像は拝まなくてもあるだけで救いを妨げ、家庭内に不和分裂を引き起こす悪魔の住む接点です。