契約の箱に注がれた血4

 

実に契約の箱は十字架の立てられたその現場のちょうど真下六メートルに位置していたのです。その見取り図が図24、図25。写真が図26です。

 

説明によると長いさおを付けたポラロイドカメラと三五ミリカメラとビデオカメラという三種類の写真撮影が行なわれても契約の箱はいつも神秘的ベールに覆われていて、もやのような金色の霧ばかりが前面に写されてぼやかされてしまい、その時、ロン氏は撮影をしないことが神さまのみ心であると確信したため写真はこれだけとのことでした。

 

 イエスさまの十字架が立てられた深さ五八センチの穴とそこから広がる天然のさく裂についてですが、マタイによる福音書二七章五一節によると、イエスさまが十字架の上で息を引き取られた際、「すると見よ。神殿の幕が上から下まで真つに裂けた。そして地が揺れ、岩が裂けた。」と証言されています。すなわち、この岩が裂けるほどマグニチュードの高い大地震が神さまによって起こされため、その時、その力で十字架の真下に巨大なさく裂が入ったと考えられ、この大きなさく裂のゆえにもイエスさまを最後の死刑囚にどくろの死刑場の十字架穴はローマ軍によって以後どの死刑囚にも絶対使うことなく廃止されました。

 

では、他にどんな目的があって大地震が引き起こされたのでしょうか。目的があったのです。十字架のちょうど真下の小洞窟に隠されていた契約の箱の空間にまで真っ直ぐさく裂が走り、ほふられた神さまの小羊イエスさまご自身が流された十字架の血潮を直接、注ぐためでした。

 

 旧約の律法ではあがないの礼拝の時、ほふられたいけにえの血はいつも祭壇上だけでなく祭壇の下の土台にも注がなければならないという不思議な定めがありました(レビ4182534)。

 

ここにその律法が書かれたことの本当の目的があります。十字架という祭壇上流れ出た大量の血潮は流れとなり、その土台である十字架の立てられた足もとのたて穴の下の上台にまで流れ落ち、ゴルゴダの地を赤く染める必要があったのです。

 

実にイエスさまから流れ出たあがないの血潮は十字架という木の祭壇の上に注がれただけでなく律法の定めどおり下の土台にまで流れ伝わって注がれ、足元に集まってこれが大地震の際生じた大地のさく裂に従って下へ下へ真下に眠る契約の箱にまで直接流れ落ちることとなるそのためだったのです。さらには契約の箱を収めた石棺の上ふたさえも大地震の力はみごとに裂いて開かれた状態になり、その隙間からイエスの血潮は見事に契約の箱にまで直接注がれていたのです。父なる神の歴史を超越した綿密で完璧な御計画がここに成就されたのです。

 

「アロンは民のための罪のためのいけにえのやぎをほふり、その血を垂れ幕の内側に持ってはいり、あの雄牛の血にしたようにこの血にもして、それを「贖いのふた」の上と「贖いのふた」の前に振りかける。」(レビ記1615

 

 旧約時代は暗い至聖所内で動物の血が契約の箱のあがないのふたの上と前に振りかけられましたが、新約時代は暗い地下の小洞窟内でイエスの血潮が契約の箱のあがないのふたの上と前に振りかけられたのです。事実この発見された契約の箱の上には、十字架穴から左に広がる岩盤のさく裂ずたいに真っ直ぐ流れ落ちた血の注ぎがそのまま黒く固まって張りついていたのです。

 

しかも、その二千年前の乾いた血をアメリカのクリスチャン医療施設の研究所にサンプルとして持ち帰り、塩化溶液に三日間浸して水和しなおしてから電子顕微鏡でDNA鑑定すると、この血は間違いなく人間の男性の血であることが判明されたのです!